世界を食べたキミは無敵。

小さい頃おいしゃさんごっこをして遊んでいて、いつか大人になってもずっと続けている、そんな人生

【勝手に映画批評】アナと雪の女王

ディズニー映画といえば、ライオンキングの『か〜んけ〜いないさ〜』だとか泡になるアリエルだとか泡がでるアリエールだとかそんな断片的な知識しか持ち合わせていませんでした。そんな私がこの映画を観ようと思った理由は『綺麗なアニメーションを映画館の大画面でみたい』『レ・ミゼラブルのようなミュージカル風な映画もいいなと気付いた』って事でした。アナ雪の批評をネットでよく見かけるので今日は私もアナ雪について考えてみようと思います。

 

✳︎アナとエルサは、毒親と娘の関係に似ている?

 ストーリーは至って分かりやすい印象でした。この映画の中にストーリーの複雑さや凝ったテーマなんて求めていないので、単純な物語に隠された裏をこじつけてみたりはしません。

まぁけどW主人公ということもあって、2人の成長を書き切るにはどっちつかずになってしまっていた印象。アナは素直で愛されキャラで至って単純な性格(の設定のはず)なのに、あたかも複雑な感情を持っているかのような場面や描かれ方をしている所があってちょっと違和感。エルサの気持ちが理解できないような子供なのに、変に酸いも甘いも噛み分けた大人びた発言をしてみたり。エルサはごちゃごちゃした性格だけどああ長女ってこうだよなぁと身近に感じやすく逆に感情が分かりやすくって、余計アナが自分のキャラを見失っているように思えました。そのせいで幼いはずのアナがエルサより大人に見えたりして。

元はと言えばアナが勝手なことしてエルサが振り回されてあんな事になっちゃったのに、エルサを助けられるのは私しかいない!って何。どこかで聞いたことあるようなお話だと思ったら、毒親と、その毒親に振り回される娘の関係に似ている

いい歳して男遊びなんてして母親らしいことなんてしない毒親。そしてそれに辟易している娘。自分勝手なことをしているのにそれに気づかないアナと、1人悩みを抱えて苦しむエルサに重なりませんか?娘(エルサ)は悩んで悩んで、グレてみたり家出してみたりするけれど、それを自分せいとは露知らずママである私(アナ)が娘を助けてあげないと!と考える毒親‥

 

 

裏を読まないなんて言ったはずなのになんたっておかしな方向に行ってしまいました。

あれ、大丈夫だよね?アナ雪って普通に姉妹愛のお話と捉えて大丈夫?アナがエルサの成長を見守るお話じゃないよね?

 

✳︎題名にも違和感あり

原題はフローズンらしいですね。

この映画を一緒に観に行った友達が、見終わった後開口一番『アナと雪の女王って、アナが雪の女王って敵と戦う話だと思ってた』って言ってました。私もそうだと思ってた。この題名では『アナ』と『雪の女王』が対等な存在として伝わってきません。2人にはとても壁があるように感じさせる題名。そして雪の女王というあたり、高飛車な印象を与えてしまいます。絶対雪の女王は敵役の名前。

かといってどんな題名だったら良かったのかと友達と話し合ったりしましたが、『アナとエルサ』では本当チップとデールと変わらないくらいペラっぺらな内容に聞こえてしまいますし、『雪の女王』だけではW主人公というコンセプトが崩されてしまうように感じます。原題通り『フローズン』でもいいのかもしれませんが、それではここまでのヒットにはならなかったかもしれないとも思います。日本人ってジブリ大好きだから『天空の城ラピュタ』だったり『ハウルの動く城』だったりちょっと垢抜けない(失礼)分かりやすい名前の方がスッと馴染むのかもしれません。

 

✳︎好き度はマックのチーズバーガーレベル

まぁ色々書きましたけれど、神田沙也加ちゃんの歌は本当に上手かったし、笑いあり涙ありで私は好きな映画です。好き度でいうとマクドナルドのチーズバーガーレベル。毎日食べたい訳ではないし、好きな食べ物の欄に書くようなものではないけれど、『マックのチーズバーガーって美味しいよね〜』っていう普通に言えるし決して嘘ではない。そんな感じの映画でした。

物語の深みだとか表面上の言葉の裏に隠された本心だとか伝えたいテーマだったりとか、そういう類のものを求めてしまうと低い評価になってしまうのかもしれません。けれどミュージカル映画としては歌は素晴らしいものであったし、映像はやっぱり綺麗だったし、友達との話すネタにもなるし、そういう視点でこの映画をみると高評価ではないかと思います。何と言ってもこんなに良くも悪くも話題になっているのだからもう大成功なんじゃないですかね?

 

私としては、職場の先輩がナルシーな彼氏に『アナ雪見たいけど字幕バージョンがないから観に行かない』と言われたという話が聞けて大変満足です