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世界を食べたキミは無敵。

小さい頃おいしゃさんごっこをして遊んでいて、いつか大人になってもずっと続けている、そんな人生

みどりのバケツ

空想のこと

エイケィは5さいの女のこです。きょうはママがおしごとの日なので、エイケィはひとりでおるすばんをすることになりました。

 

エイケィのおうちはマンションの9かいにあります。

 

エイケィはおうちのまどからけしきをながめるのが好きです。エイケィのおうちの高いまどからはいろいろなふうけいが見えます。ずっととおくには、山やまがつらなっているのが見えます。山にはところどころ白いおうちがたっているのが、小さな点のように見えます。

すぐ目のまえにはベーカリーがあります。ベーカリーのかんばんには"ベーカリー アネモネ"と書いてあります。ママはまいにちここのベーカリーで食パンをかってきてくれて、エイケィはまい朝ママがやいてくれた食パンを食べています。

 

エイケィはきょうもお外のふうけいをみてあそんでいましたが、だんだんとそれもあきてきてしまいました。エイケィがへやをたんけんしていると、おふろばの洗たくきのよこにとうめいなみどりいろのバケツがおいてあるのに気がつきました。

 

"こんなバケツ見たことない。ママがあたらしくかったのかなぁ。"

 

エイケィはこのバケツでどうやってあそぼうかかんがえましたが、しばらくなやんで"そうだ"と思いつきました。"このバケツをあたまにかぶってあそんでみよう。"

 

エイケィはあたまにバケツをかぶってみました。するとどうでしょう。エイケィの見るけしきはぜんぶみどり色になってしまったのです。

"なんてふしぎなの。白い洗たくきもきいろいゴミばこもわたしのおきに入りのピンクのスカートもぜんぶみどりいろになってる。"

 

エイケィはこのあそびがたいへんきに入りました。まわりのものがぜんぶみどり色になってしまうなんて。

 

けれどエイケィはまだ小さいので気づいていないのです。まわりのふうけいは何ひとつかわっていないということに。

 

みどり色になったのはまわりのふうけいではありません。エイケィがとうめいなみどりのバケツをとおしてみているからみどり色にみえるだけなのです。

 

けれど小さいエイケィはまわりのふうけいのほうがかわってしまったのだとしんじこんでいます。

 

ああ、かわいそうなエイケィ。そのうちにそのバケツをかぶっていることをわすれ、みどり色のせかいからぬけだせなくなってしまうとも知らずに・・・・