読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

世界を食べたキミは無敵。

小さい頃おいしゃさんごっこをして遊んでいて、いつか大人になってもずっと続けている、そんな人生

産まれたばかりのひよこは、ピヨピヨ喚くことが仕事である

仕事関係のこと 女医さんのこと

かれこれ1か月以上ブログを放置してしまっていた。

生存確認ブログすら更新しておらず、あかりクンから生きてる?ってTwitterもらって申し訳ない気持ちになった。

一度書かなくなるとなんとなく書き方を忘れてしまって、どんな気持ちでどんな風に書いていたのか、はてなが好きだったからこそなんとなく戻りづらい気持ちもあったりして、罪悪感のような、そんな気持ちもなかった訳ではないけれど、さっきこちらもしばらく放置していたTwitterを何気なくしてみたらソッコーでズイショさんから返信もらって、背中を押された感じがしたので、気の向くままに書いてみようかなあと思う。

 

f:id:kireinasekai:20140922183015j:plain

最近は、というと、変わりなく仕事をする毎日なのですけれど、最近は、というと、来年度の就職先の病院が決まったことと、それに伴って自分の専門とする科が決まったことが、ここ1か月のハイライトだったように思います。

 

就職先の病院が決まった、というのは、いわゆる一般的な就活のように思ってもらったらいいのですけど、試験のようなものがあって、病院によってペーパーテストがあったりするところもあるんですけど、わたしが受けた病院は面接試験だけがあるところでした。

研修医が面接試験で聞かれる質問というのは、ある程度テンプレートのような質問がいくつかあって、例えば、『なぜ医者を目指そうと思ったのか』だったり『初期研修を通して学んだことは?』だったり、そんなような質問はあらかじめ答えを考えておいたりします。

 

かれこれ2年前、わたしが初期研修で選んだ病院(つまり今の職場)の面接で、こんな質問をされました。

『医者、という職業はどんな職業だと思いますか?』

これはいわゆるテンプレートの質問の部類に入る質問なので、研修医であれば試験前に一度は考えたことのある問題なのではないかなと思います。とは言っても、かなり広い質問で、どんな風にも答えられるような質問であり、答えもどう捉えるかは受け取った人次第といった柔軟性のある質問ですよね。

考えていたとはいえ、すぐに答えのでる問題ではなく、改めて1か月くらいは考えたと思います。もっと言えば、もうずっと、物心ついたころから漠然と考えていて、その時その時の歳を経た自分に応じて答えが変わっていた質問だったように思います。

 

24歳、わたしが6年間の学生生活を経て出した答えは、

『医者は裏方の仕事である』

というものでした。その時のメモには、『医者は裏方の仕事である。患者さんが人生という表舞台から、やむを得ず降りなくてはならなくなって、やって来る場所が病院である。なので病院は舞台裏であり、そこで働く医者は、裏方である。』と書いてあります。

まあ、こんな答えは臨床経験のない若造が考えた答えであって、実際の面接でこのように答えたら、試験官の先生には『現場では医者が指揮をとらないといけないから、堂々としていないといけないよ』と言われました。おそらく先生は、医者がリーダーとして指示を出さないといけない現場での『裏方』をイメージされたのでしょう。

 

ふーん、まあ、そうかあ、と思ったりしていて、2年弱、現場で働いてみて、わたしがやっぱり思うのは、医者は裏方だという気持ちは忘れてはいけないな、ということでした。

指揮をとるな、とか、目立つな、という訳ではありません。

ただ、病院の目的ってなんだろうな、ということです。医者の目的ってなんだろうな、ということです。

常連様のようによくいらっしゃるご老人の方が外来にいらっしゃって、もっぱら外出するのは病院の受診日だけ、と話されているのを聞くと、なんとなく不健康に感じてしまうのです。そのような方々が集まって、待合室で世間話に花を咲かせているのをみると、なんとなく、違うよなあ、と思ってしまうのです。もちろん、ずっとおうちに引きこもるよりは、定期的に病院にでも来て誰かとお話する方がいいのでしょうけど、それはそれこそデイサービスや公園や、それ専用の場所でして頂くのがいいのであって、病院は舞台裏であって欲しいなあと思うのです。

もちろん、何らかの理由でずっと入院を余儀なくされている患者さんなどもいらっしゃるので、一概には言えないんですけど。自分の足で外を歩いて、自分の手で明日をつくってゆける人には、病院は舞台裏であって欲しいと思います。それが一人で出来ない患者さんには、もうひとつの手や足を与えたい。そして医者は、患者さんが表舞台で活躍できるように、デザイナーやメイクアップアーティストのように患者さんを輝かせることのできる、寡黙な職人のような裏方の存在であったらいいなあと思うのです。

 

甘い考えなんでしょうか、理想論なんでしょうか。まだ現場の裏の裏がみえていないひよっこの考えなんでしょうか。

 

これから先も、きっと節目ふしめで、考えてゆくことになるんでしょう。その時にはきっと今とは違った考えになっているだろうし、だからこそ何度も自分に問うていきたい。そんな風に思う、めっきり冬の空気になってきたここ最近、わたしは、そんな感じで過ごしています。