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世界を食べたキミは無敵。

小さい頃おいしゃさんごっこをして遊んでいて、いつか大人になってもずっと続けている、そんな人生

沖縄の風は、泡盛の香り

きょうもいい天気、ピシッと引き締まるような冷たい風、空を見上げれば冬の雲。意外とまだ暖かい11月。はあっと吐き出した息は、白く染まらない。『女の子は、ちょっとバカな方が可愛いですよ。わかりませ~ん、ってきゃぴきゃぴ言っておく方が得するんです。』女の子をなめているかのような言葉を思い出しながら、少し考える、そんな女の子にはなりたくはない、と。ぎゅーんと時間がワープする、パラパラパラと昔の映画のフィルムのように映像が逆回転、そう、あれは数日前のわたし、直ぐに答えられなかった質問に『あ、あはは、わかりません』の困った笑顔で答えたわたし、ぎゅーーんとさらに時間がワープして戻る、そんな女の子にはなりたくはない、と言うわたしは、少しその先へワープして、自分を正当化する為に意見を変えた。

最近こんなことがありました、とか報告するに値しないような出来事でわたしの毎日は出来上がっていて、それこそが本質なんじゃないかと思うけれど、そんなことは論じるに値しない、どちらでもかまわないのだ、キラキラとしているかけらなんですかそれは、ということが大事、と運転しながら通勤路を少し遠回りしながら思う、真っ直ぐ行ったのではセブンイレブンへ寄っていけないのだ、少し遠回りしなければ。セブンイレブンは最近少しいい感じ、店内に並んでいる商品はキラキラしたフィルターがかかって見える、つまりどれも魅力的で購買意欲をそそられる。

セブンイレブンでは700円の買い物をするごとにくじが1枚ひけるキャンペーンをやっていて、わたしは1500円くらいの買い物をしていたので、2枚ひける、と思いながらわくわくしてレジに並んでいた。前に並んでいた男の人は1枚引いて、カフェオレが当たっていた、あ、こんな商品がもらえるんだ。わくわくー。そうしてやってきたわたしの順番、がさごそがさごそしっかりかき回します、くじの箱のすみずみまで、はいこれーって引いたくじは、新発売のカロリミットドリンクと、ウコンの力でした、なんという忘年会仕様・・・女子力のかけらもなくってあんまりキラキラしてないと思った、セヴンイレヴン最高。

 

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沖縄は異国の地だった。現地のひと沖縄人は、喋り方がどことなく日本に長らく住んでいる外国人のような、独特のイントネーションをしていて、暖かいのに寒いさむいと言いながら長袖のスウェットを着て震えていた。わたしはその隣でノースリーブのワンピースを着ていて、ちんすこうにはラードが使われていることに感動していた。バターの代わりにラード、そこがクッキーとちんすこうの違いらしい。お酒といえば泡盛で、上司はこれって段ボールのにおいがする、とはしゃぎながら、カラコロと音を立てる氷の入った琉球グラスに注いだ泡盛(残波・黒、通称ザンクロ)を12回転半かき回して、12回転でもだめ、13回転でもだめなんだよ、と言いながら満足そうに飲み干した。わたしはどうしても匂いが気になって、あまりすすまなかったのだけれど、泡盛コーヒー割り、というものを頼んだのだけれどそれがびっくりするほど美味で、泡盛は割ると美味しく呑めるのだということに気づいてからは泡盛が好きになれた。あとハイビスカス酢で割ったものも美味しかった。あまり泡盛の味が分からない子なのだ。ラフテー

沖縄最後の日は、相変わらずのいい天気で暖かかった。青い空、白い雲、なまぬるい風、やや茶色がかったヤシの木のような南国植物、ガジュマルの木。那覇空港に向かうタクシーの運転手さんに、まだやや体内にアルコールが残っている、と感じながら、泡盛のことを話した。

割ると美味しいよね、うんうん、若い女の子はそう飲むのがいいよ、僕も昔はコーラで割ったよ、うん、飲みやすいよね、あとビールやワインで割ったりしてた、え?、そうそう、アルコールをアルコールで割るんだよ、おかしいでしょ、あとねー、奥さんが妊娠してた時は母乳で割って飲んだりしてた、なんか変なにおいがするーってみんなで笑いながらね、

途中までは相槌など打って笑いながら聞いていたのだけれど、母乳割りのくだりでなんとなく、ええー、と思ってしまった。ははあ、と微妙な笑いをふりしぼって、残っているお酒のせいにして目を閉じた。

 

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沖縄は暖かかったなあ、と名残惜しく感じていたのだけれど、本州も拍子抜けするほど暖かかった。けれど沖縄とは違う風が吹いている。まだ、息は白く染まらない。

もうすぐ11月も終わる。