ただしい後輩の育て方
昨日はとある試験的な試験のデモ受験者として、試験を受けてきた。
そこで偉い感じの先生から、後輩の指導の仕方について教えてもらったのだけれど、そのスライドのなかで”マズローの欲求階層説”が紹介されていた。
マズローの欲求階層説は聞いたことはあったし、ピラミッドの図は見たことがあったけれど、これをいかに日常生活に活かすことができるかまでは考えたことがなかった。
マズローの唱える欲求には5段階あって、下から、つまり欲求レベルの低さから、生理的欲求→安心の欲求→所属と愛の欲求→承認(尊重)の欲求→自己実現の欲求、となっている。低いレベルの欲求が満たされないと、次の欲求は生まれないとされている。
非常に単純な話なのだけど、承認(尊重)の欲求は自己実現の欲求の下のレベルにあるので、『自己実現したい』という意欲は、承認(尊重)の欲求が満たされないと生まれないということになる。つまり、後輩に自己実現してほしかったら、まずは後輩に承認(尊重)欲求を満たしてあげる必要がある、ということだ。
つまり、後輩に一人前になって自分のやりたいことをみつけて大きく成長してもらうには、まずは『あなたはここで役に立っているよ』ということをしっかり伝えなければいけない。ついつい早く成長してもらいたくて、自己実現の欲求の段階を求めてしまうけれど、『はやく自分のやりたいことを見つけた方がいいよ』と急かす前に、まず簡単なことからしっかりできるようにしてもらって、自分は役に立っていると自信を持ってもらうことが先決なのだ。ついつい後輩を大きく育てたいあまり、簡単なことができても、こんなことで褒めても嬉しいかな?と思って褒めるのをやめてしまったり、もっと上のレベルのことができるようになってから褒めよう、と思って褒めるのをやめてしまったりしたことがある。
自分に置き換えてみても、自信がない状態でさらにやりたい事を探すのは無理だった。わたしがやりたい事を見つけたのも、2年目になってある程度仕事がこなせるようになってからの事だった。
後輩クン、ちゃんと、ついてこれてる?
後輩は可愛い、等しく可愛い。
と、言いたいけれど実際そういう訳にもいかないこともある、大人の事情というやつだ。もちろん意地悪なんかはしないけれど、大人になれば、干渉しない、当たり障りのない関係、表面上の付き合い、という便利なコミュニケーション法があり、それは実際社会生活を円滑に進めるうえで大事なことだと思う。
それでも、やっぱり、自分の直属の後輩は可愛い、ほぼ等しく可愛い。可愛いからこそ後輩には正しく成長してもらいたい。自分のしたいことを見つけて、自分が正しく選んだ道を、前へ前へ進んで行ってほしいと思う。そのためには正しく指導しなければならない。後輩を認めてあげよう、わかっていると思わずに、言葉や態度にして、君は必要なんだと伝えてあげよう。叱り方のコツも教えてもらった、私はまだ指導する立場としては未熟だから、これからは先輩として、正しい先輩になる方法を勉強していかなくてはいけない。
ところでここ数日、正しい、という言葉が自分の中で流行っている。便利な言葉だと思う。