世界を食べたキミは無敵。

小さい頃おいしゃさんごっこをして遊んでいて、いつか大人になってもずっと続けている、そんな人生

後輩は可愛いものだと思う

わたしが今働いている病院は200床ないくらいの中規模病院であり、毎年受け入れている初期研修医は5人と決まっている。病床数からいくと研修医の人数は少し多いかなというくらいの人数だ。わたしがこの病院に赴任してから2クールの研修医(つまり現2年目と、現1年目)をみてきたことになる。10人も研修医がいるのに女子はたったひとりで、今の学年の医学部の男女比から考えると圧倒的に女子が少ない。そしてただでさえ数の多い男子が、さらにその中の3人くらいは1人あたりの物理的なボリュームが2人くらいあるので実質男子12人に女子1人という感じで、朝のカンファルームが一気に狭くなった。そして部屋の中が寒くなってきた今の時期でも暖かいどころか少し暑いため、わたしはさりげなくドア近くの風通しのいい場所をポジショニングするようにしている。彼らも暑そうにしていて長袖の白衣を上げられるところまでめくりあげているが、ひじの下あたりで止まっている。

CPA(心肺停止)の患者が運ばれてきたときにはさながらライザップのようであり、滝のような汗を流しながら心臓マッサージをしている。心臓マッサージは主に1年生の仕事なので彼らは積極的に動いてくれるが、一向に痩せる気配がないのが不思議で仕方がない。

ただそうはいってもやはり後輩というだけで可愛いものだ。当直のときには夕食に上級医が出前を頼むのがこの病院の慣習になっているのだけれど、彼らは満面の笑みで『俺丼のスタミナ丼メガ盛りで!』というから痩せない理由が分かった。でもわたしがぐったりしているときでもガツガツと俺丼をかき込んでいる姿をみるとなんだか癒されるのでやはり後輩は可愛いものだと思う。

明日は暇な後輩を誘って映画に行こうと思っている。『インフェルノ』がみたくて、今日仕事終わりにその物理的ボリューム2人分くんのひとりに院内PHSで明日映画に行かないかどうか誘ってみたら、安田大サーカスのクロちゃんのような声で『はいよろこんで~‼』と寿司屋の大将さながらの返事が返ってきた。もしかしてきみ土日は寿司屋のバイトでもしているのかな?まあそれでも間髪入れず『はいよろこんで』が返ってきたので後輩としては花丸だし寿司屋の大将としても上出来だろう。というか、はいよろこんでなんていう返事はじめてきいたぞ。これは尊敬語なのかな?でもやはりよくわからない敬語を使うあたりが後輩というものは可愛いものだと思う。